臭気判定士試験(筆記)
臭気判定士になるためには当たり前ですが臭気判定士試験に合格しなければなりません。
どんな試験なのでしょうか??
・5つある科目をチェック
・どんな問題が出るの?
・合否基準は?
筆記試験について
臭気判定士はあんまり聞いたことがない資格にもかかわらず(失礼ですね。)試験が筆記と嗅覚検査と二つとも合格しないと免状が交付されません。
筆記試験の内容を見ていきましょう。
<臭気判定士試験科目>
科目数が多いですね・・・。5科目を一つずつ見ていきましょう。
A:嗅覚概論
基礎的な嗅覚や匂いに対する知識を問う問題が出題されます。
生物学(嗅上皮や嗅覚受容体)などの問題やにおい物質そのものに関する問題が多く、意外と広い知識が必要です。しかし、試験全体に占める問題数が6/44問しかないため、広く浅く効率的な勉強が効果的だと感じます。
B:悪臭防止行政
悪臭防止法関連の問題が出題されます。
そのほかに、悪臭原因物質や特定悪臭物質、脱臭技術についての問題や臭気指数の算出に関する問題も出題されます。臭気判定士試験の計算問題は、難しい数学の知識などはあまり必要がなく、コツがわかれば全く問題なく解くことができる印象です。
C:悪臭測定概論
悪臭物質の測定方法や特定悪臭物質に関する問題が出題されます。
この科目は少し実務的になります、臭気判定士として仕事をした時の試料採取に関する問題や臭気指数の取り扱い、与えられた条件下での臭気強度や脱臭効率の計算問題などが出題範囲です。数値の算出問題は計算をすれば良い問題も多く、問題のパターンさえ掴めれば暗記する作業の必要がありません。
D:分析統計概論
基礎的な統計学に関する問題が出題されます。
でた!統計学だ!嫌い!と思われるかもしれませんが、臭気判定士の統計学に関する問題はそこまで心配する必要はありません。難しい計算問題は出題されません。しかしながら計算はしなければならない問題も多いですが、統計に関する考え方と知識からの出題もあります。計算が苦手な人は知識問題をとり逃さずに足切り点数さえ突破すれば良いのかなと思います。
(え゛足切りあるの?という説明は最後にします。)
E:臭気指数等の測定実務
実際に臭気判定士として仕事をしたという体で、試料採取器具の使用法や嗅覚測定法に関する問題、パネルからの測定結果をまとめて臭気指数を報告書に掲載するなどという想定の問題が出題されます。
科目名に実務と書かれてはいますが、実際に実務を行うわけではありません。こちらも筆記式です。文章問題と計算問題の2つの方式で出題されます。
臭気判定士試験を突破するのに、臭気指数の算出法の理解からは逃れられません。目指すならば諦めて勉強しましょう!
試験の合格基準と難易度
試験終了後に基準が毎回決定されます。
ですので過去の試験の基準から確認しなければなりません。そしてせめてその基準以上の得点を取っておきたいものですね。また、よほどのことがない限りはあまり合格基準は変わりません。ですので、ほぼ以下の基準で問題ないと思います。
平成30年実施の合格基準
- (1) 総合得点率 70%以上
- (2) 各科目別最低得点率 35%以上。ただし、「臭気指数等の測定実務」については、
- 問 41~50 の 10 題(A:文章問題)は 35%以上、
- 問 51~55 の5題(B:計算問題)は 50%以上
平成30年ではすべての各科目で35%以上得点しないと総合得点70%超えようが落ちてしまいます。いわゆる足切りです。
全6問の問題(嗅覚概論)は3問正解しないと35%超えませんし、残りの全8問の問題でもせめて最低3問正解しなければなりません。
そして、実務試験の計算問題は半分以上で正解した上で、70%以上と国家資格試験の中でも正解率は比較的高いです。
しかし、内容はしっかり勉強すれば問題なく得点できるものですので、これから勉強していきましょう!
臭気判定士試験の難易度は問題自体は易しく、試験範囲とどこが重点的に出題されるかを把握するのに時間がかかる試験という印象です。ですので、過去問を解き、どの様な問題が出題されるかを把握し、出題される傾向を掴み、そして知識問題では広く浅く、幅広い知識を身につけておくことが合格への鍵だと思います。
参考図書
各科目の出題範囲は、におい・かおり環境協会という団体が<臭気判定士試験の参考図書>として挙げている本です。下記のリンクをご参照ください。試験はこれらの本から出題されることでしょう。
さあ買うぞ!( ˙꒳˙ᐢ )ウィッ
(´・ω・`)「会計、合計25470円となります。あ、過去問も買っていってくださいね!」
いやちょっとマッタ!!高すぎない??
過去問だけ買うやつが出てきてもいい!そうだろ? ピュ〜ウ🍆
実は臭気判定士は参考図書とかなしでも十分合格できます!(過去問は必要です)
しかしながら、対策本や過去問解説がほとんどないことから、得体の知れないこの国家資格に挑戦しようというやる気が無くなってしまうと思っております。
臭気判定士はにおいに関わるこの国で唯一の国家試験です。
- 試験にかかる費用を安く抑えたい人!
- においや香りに関することに興味がある大学生!
- 環境関係や香料関係の仕事に就きたいと考えている貴方!
ぜひこのブログを継続してご覧いただけたらと思います!
ということで次回は嗅覚検査について説明します!
出典:令和元年度 受験案内 – におい・かおり環境協会http://www.orea.or.jp/PDF/event/R1-gansyo.pdf
↓↓興味ありましたらちょっと読んでってね。
臭気判定士は嗅覚にまつわる唯一の国家資格ですが、国家資格でなくとも嗅覚を使う仕事は調香師、ソムリエ、コーヒー鑑定士、アロマテラピストなどなど。。。
こう言った職業に就きたい!って思う方は、机上の勉強だけでなく、実際に匂いに触れてみるのもいい経験になると思います。
と言うことで、市販されている嗅覚のトレーニングキットについて紹介します。
ワインのアロマキット
ソムリエになるためには、それはいろんなワインの味を実際に飲んで、色をみて温度での味の変化を確認したり。。。それはそれは非常に難関な修行が必要です。嗅覚に関わる仕事はみんなそうですが、味や香りの「表現」を「言葉で伝える」ことが一番難しい上に必要な技術となるでしょう。ワインから漂う香りについての知識や経験がなければ「表現」し「言葉で伝える」ことができないですね。
ワインの嗅覚キットはその「表現」力の足掛かりとなると思います。(本当は表現の仕方は無限にあるので12種や24種程度ではまだまだ足りないとは思いますが、匂いの初学者としては勉強になると思います。)
このキットでは表現によく使われるラズベリー, カシス, イチゴ, ブラックベリー, さくらんぼ, プラム, スミレ, ピーマン, 甘草, 黒こしょう, チョコレート, トリュフの香りが入っており、初心者でもワインソムリエでも、ワインアロマチャートはワインの複雑さに含まれる香りを識別するために役立つことでしょう。(ウイスキーのキットもあったのでリンクを載せておきます笑)
アロマテラピー検定
アロマテラピーは家庭だけでなく、ビジネスや医療や介護の現場でも注目されはじめ、今後ますますアロマの知識が社会的にも求められてくることも考えられるため、これからさらに活躍の幅が広がる資格となっています。
「日本アロマ環境協会」主催のアロマテラピーに関する幅広い知識を身につけているかを問う検定試験です。 アロマテラピー検定には、2級と1級が用意されており、出題範囲、出題数、香りテストの対象となる精油数などが異なります。 受験資格はなく誰でも受験が可能で、年齢なども問いません。
こちらのキットではアロマオイルもついていて(高価なネロリやカモミールの精油も)実際にエッセンシャルオイルがどの様な香りかを学ぶことができますね。
このブログではあまり紹介しませんが、ちらっと紹介しておきます(笑)。
嗅覚の識別能力は鍛えることができると言われておりますので、日々自然の香りを感じて表現力を養ってみることもいいかもしれませんね。
ではではまた次回!
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