臭気判定士について
地球環境を語るには数値は不可欠です。
例えば気温や有害物質の濃度、海洋の遺棄されたプラスチックの量など。。。
数値や量を『測る』という行動無くしてはその値がどのように人や地球に影響するかなど議論することすらできないのですわよ。(How dare you!)
このめちゃめちゃマイナーな国家資格について紹介していこうと思います!
・どんなことをする人なの?
・求められる場所は?
悪臭防止法と公害
もし、大金を出して購入したマイホームの隣にクッサい製品を製造する工場ができたと想像してみます。
(これから毎日ニンニク臭があなたの周りを包み込みます。)
毎日となると最悪ですね(笑)。しかし有害物質でもなければ地球環境にも対して影響ないとすると、あなたは泣き寝入りで餃子の何倍も強い匂いを排出する工場の隣で過ごさなければなりません。諦めましょう。
と、日本でも昔は本当にこのようなケースでも泣き寝入りするしかありませんでした。
なぜなら、公害を防止する公害対策基本法には悪臭に対する規定はありませんでした。
そこで制定されたのが1971年に制定された悪臭防止法です。つまり、工場などの事業活動に伴って発生する悪臭を規制することにより、悪臭防止対策を推進し、生活環境を保全、国民の健康の保護に資することを目的とする法律が制定されたのでした。
この法律に基づいて制定された国家資格が臭気判定士です。
臭気判定士の仕事
ずばり臭気の測定を監督することです。
と言っても『測定』ってどうするの?『監督』って何するの?ということを説明します。
臭気の測定方法
人が不快に感じればそれは『臭気』です。つまり、どんな匂いでも『臭気』となりうります。
臭気の測定方法には特定の物質の濃度を検知することに優れている機械による測定もありますが、悪臭に対しては1種類の成分が悪臭を放っているとは限らないため、様々な匂いを同時に検知できる人間の鼻の方が優れています。それに、実際に臭いと思っているのは人間です。て、えっ人間で測定するの???
人間じゃ正確に臭いのか数値的に判別できないよ!最初に環境を語る上では数値が不可欠って言ってたじゃないか嘘つき!バカ!
と思われるかもしれませんが、臭気測定では正常な嗅覚があると認定された人間と統計学を用いますので、臭気濃度だとか臭気指数と言った数値を算出できる仕組みがあるのです。
誰が考えたのかわかりませんが天才ですね(笑)。
臭気測定の監督
パネルの選定
つまり、正常な嗅覚を持っている人を選ぶことから始まります。正常な嗅覚を持っていたとしても、測定するのが人間ですと、特定の匂いの感じ方が弱いだの強いだの得手不得手があります。
ですので複数人のパネルを選び出さなければなりません。
試料の採取
定められた手法で臭気のする部分からサンプリングを行います。これをうまく行わないと、臭気測定自体がオシャカになりますね。(臭くないですね!問題無し!終わり!!ヨシ!!!)・・・
こうならないために、準備は入念に行わなければならないです。
通常は匂い袋を使って決められた場所で決められた体積を計り取ります。
結果のまとめ
この人は臭いって言ってた!でもこの人は臭くないって・・・・。どうしましょ???
このような場合はあると思います。ここで臭気判定士に求められるのが統計学の知識です。
人間の所見を統計学を用いてまとめ、数値として算出し報告する臭気判定士にしかできない仕事です。
臭気判定士は全国で約24,000件以上も発生している悪臭苦情を解決するために、工場・事業所からのにおいを測定するのが主な仕事です。環境分析会社などの勤務の方々では自治体からの委託を受けるために必要な資格となります。
そりゃいい匂いのモノだって濃い匂いなら嫌な匂いですよね。
次回は臭気判定士試験について書いていこうと思います!
コメント